究極の幸せ

2009年5月29日 金曜日 maechan

今月から月刊誌「WEDGE」を年間購読しました。
WEDGEという雑誌は、環境問題や技術革新、その他日本の将来を考えるヒントとなる題材が多く結構、会社の経営者に読まれていると聞きます。
6月号のトップランナーで日本理化学工業の会長 大山泰弘さんが登場し、「人様の役に立つ・それが働くことの醍醐味」ということで取材を受けています。
日本理化学工業は、1956年には、社員十数名の小さな会社でした。当時専務だった大山会長のところに知的障害者が通う養護学校の先生が来て、翌年卒業する2人の少女の就職を依頼したそうです。大山会長は最初は断わりましたが、3度目の訪問時にその先生が「子供達は卒業したら地方の施設に入ります。そうしたら働くことも知らずに一生を終えます。もう就職はお願いしませんから、働く経験だけお願いできないでしょうか?」と頼まれ、2週間という約束で引き受けたそうです。
大山会長は、施設にいて3食付の方が、毎日、満員電車に乗って働くより幸せなのではないかと思ったそうです。
そのことを法事で隣に座ったお坊さんに尋ねたところ、
「人間の究極の幸せは、愛されること、褒められること、役に立つこと、人に必要とされることの4つです。愛されること以外は、働いてこそ得られます。」と言われました。
実際、2人の少女は一心不乱に昼休みのチャイムにも気づかずラベル貼りをしたそうです。
実習の最終日に、社員たちから「私たちが面倒をみますから、雇っていいじゃないですか。」と大山会長に言ったそうです。
そして採用し、彼女らが字や数がわからなくても色は区別できるだろうと思い、赤い蓋の缶に入った材料を量るときは赤い分銅を使うというような工夫をし、次々と製造ラインに取り入れていきました。
こういう段取りを周りが取ってあげれば、不安なく仕事ができるようになります。知的障害者だって「人の役に立ちたい、褒められたい」という気持ちはありますから、集中してやるようになります。
だからこそ、自分も役に立てたと思える環境設定が大切と大山会長は言っています。
なるほど、奥が深い。

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