有料老人ホームもあちこちに増えて入所一時金もひと頃に比べて安いところも多くなり、終の棲家に選ぶ人も増えてきたようです。
相続税の計算で被相続人が居住の用に供していた宅地等について減額される特例があります。
いくつかの適用要件と面積制限があるのですが、大前提は被相続人が居住の用に供していた建物の敷地であるということです。
しかし、冒頭にも書きましたが高齢になり、居住していた建物を離れて老人ホームに入所し退所することなくそこで亡くなった場合に入所前に居住の用に供していた宅地等は相続税の減額の特例は受けられるのでしょうか?
ここで問題になるのは、被相続人の「生活の拠点」も移転したかどうかです。
身体上又は精神上の理由で介護を受ける必要がある為、居住していた建物を離れて、老人ホームに入所しているが、本人は自宅での生活を望み、建物もいつでも帰ってこられるように維持管理がなされているような場合は、生活の拠点の移転とはいえないと考えます。
実際に居住用宅地の減額の特例を受けるためには、生活の拠点については次のような客観的な状況が認められることが必要です。
1.被相続人の身体又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため、老人ホームへ入所することになったものと認められること。
2.被相続人がいつでも生活できるようにその建物の維持管理が行われていること。
3.入所後あらたにその建物を他の者の居住の用その他の用に供していた事実がないこと。
4.その老人ホームは、被相続人が入所するために被相続人又はその親族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものでないこと。
居住用の建物・敷地については、売却時・相続時において、いろいろな減額の特例がありますので注意する必要があります。


